ASR901 上の CEM トラフィックの QoS 設定

概要

このドキュメントでは、MPLS クラウドに送られる CEM トラフィックの優先度を指定するために必要な QoS 設定の概要を説明します。CEM は、時分割多重（TDM）ネットワークと、マルチ プロトコル ラベル スイッチング（MPLS）などのパケット ネットワークとの間のブリッジとなります。 ルータは TDM データを MPLS パケットにカプセル化し、CEM 疑似回線を介してそれをリモート プロバイダー エッジ（PE）ルータに送信することにより、パケット ネットワークにおける物理的な通信リンクとして機能します。 

前提条件

ASR901 ルータでの CEM トラフィックの優先度を指定するために QoS を設定する前に、次の手順を実行します

1> ルータで 1 つまたは複数の CEM グループを設定します。各 CEM グループは、ポートに接続された TDM 回線からの一連のタイム スロットを表します。ポートで CEM グループを設定すると、ルータは、そのポートと同じスロット/ポート番号を持つインターフェイス（例：CEM0/1）を作成します。

2> 各 CEM グループの疑似回線を設定します。ルータは、各グループのタイム スロットからのデータを対応する疑似回線にマッピングし、MPLS ネットワークを介してそのデータをリモート PE ルータに送信します。各 CEM グループの疑似回線を作成するには encap mpls を指定して xconnect コマンドを実行します。

注：ASR901 プラットフォームの CEM 設定の詳細については、ここをクリックしてください。

説明

この設定例では、MPLS インターフェイスでの優先順位付け用に CEM トラフィックをマーキングするための QoS ポリシーが CEM グループで設定されています。MPLS インターフェイスとして VLAN インターフェイスが設定されています。このレイヤ 3 VLAN インターフェイスは、レイヤ 2 EVC およびブリッジ ドメイン設定によって物理インターフェイスにバインドされます。

出力トラフィックの優先度を指定するために、必要に応じて MPLS EXP ビットをマーキングする QoS ポリシーが MPLS インターフェイスで設定されています。別のキューイング QoS ポリシーが物理出力インターフェイスで適用されます。MPLS リンクを通る CEM トラフィックに必要な優先度を提供するために、あとでこれが使用されます。

設定

ネットワーク図

設定

入力 QoS 設定を次に示します

!
policy-map CEM
 class class-default
  set qos-group 5
!
interface CEM0/1
 IPアドレスがありません
 load-interval 30
 cem 0
  service-policy input CEM
  xconnect 10.1.1.2 151 encapsulation mpls
!

出力の QoS 設定を次に示します

!
table-map CEM-TEST
 map from  1 to 1
 map from  2 to 2
 map from  3 to 3
 map from  4 to 4
 map from  5 to 5
 map from  6 to 6
 map from  7 to 7
 default copy
!
policy-map ABC
 class class-default
  set mpls experimental topmost qos-group table CEM-TEST
!
interface Vlan225
 ip address 172.16.1.1 255.255.255.0
 mpls ip
 service-policy output ABC
!

注:table-map は、QoS-Group と MPLS EXP ビットの間のデフォルト以外のマッピングでのみ必要とされます。デフォルト マッピングでは、table-map を QoS policy-map から除外できます。

!
class-map match-any MPLS_EXP
 match qos-group 5
 match mpls experimental topmost 5
!
policy-map CHILD_POLICY_MAP
 class MPLS_EXP
  priority percent 50
!
policy-map PARENT_POLICY_MAP
 class class-default
  shape average 600000000
   service-policy CHILD_POLICY_MAP
!
interface GigabitEthernet0/0
 IPアドレスがありません
 load-interval 30
 negotiation auto
 service-policy output PARENT_POLICY_MAP
 service instance 1 ethernet
  encapsulation dot1q 225
  rewrite ingress tag pop 1 symmetric
  bridge-domain 225
!

確認

上記の設定を検証するには「show policy-map interface <int>」コマンドを使用できます。ASR901 プラットフォームではバイト カウンタだけがサポートされ、パケット カウンタはサポートされません。このプラットフォームでのすべての QoS 制限事項がここで説明されています
上記の制限に加えて、ASR901 プラットフォームでは CEM QoS ポリシー マップ用のカウンタがサポートされません。